おはようございます。ひたちなか市足崎にありますひたちなか教会の牧師、小宮山裕一です。
島崎藤村の小説に「夜明け前」という小説がございます。半蔵という人物が、幕末から明治維新に至る時代を駆け抜ける様子を描いた小説です。夜明け前が一番暗い、という一文がありますが、この一文がこの小説の全体のテーマでしょう。
幕末は、時代の境目でして、まさに混乱していたのでしょう。こうした国の様子を、夜明け前のような状態だと藤村は考えたのかもしれません。夜明け前は一番くらいのですが、朝はすぐそこにきているのです。一番苦しい時にこそ、光は近いのです。
新約聖書にも、夜明け前という言葉がでてきます。
週の初めの日、夜明け前に、女たちは用意しておいた香料を携えて、墓にいった(ルカによる福音書24章1節。口語訳聖書)。
この女性は、自分が心から信頼をしていた一人の男性を失いました。彼は十字架につけられて、死んでしまったのです。彼を失ってしまったこの女性の心境は一番暗い。まさに、夜明け前だったのです。
その彼女に光が現れます。それは死んでしまったはずの男性。イエス・キリスト。このお方が現れたのです。夜はあけました。彼女は希望をもつことができたのです。
イエス・キリストは、たとえどん底の暗きにいたとしても絶えず希望をあたえてくださるお方です。どうぞ、このお方に信頼をよせてください。
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